骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨がスカスカの状態になってもろくなってしまう病気です。骨がもろくなってしまうことで、ちょっとした転倒で尻もちをついたり、何か重いものを持ち上げようとしただけで、骨折してしまうリスクが高いです。
骨粗しょう症の患者様は、男性よりも約3倍、女性が多いというデータがあります。もちろん、高齢になれば、男性が骨粗しょう症になるリスクも高まります。
盛岡市の今井産婦人科内科クリニックでは、骨密度検診を実施し、骨粗しょう症の改善を図っています。ご高齢の方、特に閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高くなるため、ご注意下さい。
骨の健康度セフルチェック
あなたはいくつ当てはまりますか?
- 天気のいい日でも、あまり外に出ない。
- 体を動かすことが少ない。
- 最近、背が縮んだような気がする。
- 最近、背中が丸くなり、腰が曲がってきた気がする。
- 体格はどちらかと言えば細身である。
- ちょっとしたことで骨折した経験がある。
- 家族に「骨粗鬆症」と診断された人がいる。
- 糖尿病や、消化管の手術を受けたことがある。
- 【女性】閉経を迎えた。
- 【男性】70歳以上である。
- 牛乳・乳製品・小魚・豆腐をあまり摂取しない。
- たばこをよく吸う・お酒をよく飲む。
以上、該当する項目が多い方は、「骨粗しょう症になっている可能性がある」もしくは「骨粗しょう症予備軍」です。
年齢とともに増加傾向
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症になりやすい方
患者様の症状によって、骨がもろくなる原因は異なります。
骨粗しょう症になりやすいのは、次のような方です。
高齢者
加齢に伴い、食事によるカルシウムの吸収率は悪くなっていきます。これまでと同様にカルシウムを摂っている方でも、吸収される量が減ってしまうため、骨がもろくなっていきます。
閉経後の女性
女性は、閉経を境に女性ホルモンの分泌量が急に減少します。女性ホルモンには骨密度を保つ働きがあるため、閉経に伴って骨量が減少してしまいます。
過度のダイエットを経験した方
骨量は20歳代で最大になるのですが、この時期に十分な骨量に達していないと、閉経後の早期に骨粗しょう症になるリスクが高くなることが分かっています。骨が成長する10歳代で過度のダイエットを経験した方は注意が必要です。骨が成長するべき時にカルシウムなどを含めた栄養素が不足してしまった可能性が高く、骨が弱まっていることがあります。
運動不足
運動により活性化するのは筋力だけではありません。骨もまた同様に、適度な負荷をかけることで骨芽細胞が活性化するようになります。活性化すると新しい骨を作る働きが促進されます。運動不足の方は、その働きが弱いため、丈夫な骨が作られなくなります。
喫煙者・過度の飲酒
喫煙は骨量を減らす原因(エストロゲンの分泌を低下させる)になり、過度の飲酒は骨を作る働きを低下させる(骨芽細胞の働きを妨げる)ことが分かっています。
生活習慣病がある
糖尿病や慢性腎臓病などの治療で使用されるインスリンには、骨芽細胞を増やす作用があります。しかし、糖尿病の場合、インスリンがうまく働かないため、骨芽細胞が不足してしまい骨を作る働きが低下します。慢性腎臓病も同様に、血液中のカルシウム不足を補うために骨からカルシウムが溶け出してしまうため、骨量が減少します。
遺伝
母と娘は、生活環境や身体的な特徴が似ていることが多いです。食事による栄養素の摂取も似通ってくるため、骨密度も似るといわれています。骨粗しょう症の家族歴がある方はご注意下さい。母が骨粗しょう症になった場合は、娘も骨粗しょう症になるリスクは高まります。
骨折が起こりやすい部位
骨がスカスカの状態になってもろくなってしまう骨粗しょう症。骨がもろくなってしまうことで、骨折が起こりやすくなります。
特に骨折しやすいと言われる部位は、
1:背骨(脊椎)
2:太ももの付け根(大腿骨・だいたいこつ)
3:手首(橈骨・とうこつ)
4:腕の付け根(上腕骨)
です。
背骨の骨折は、上下で押しつぶされたように骨折する「圧迫骨折」が起こります。つぶれた背骨は、例え骨折が治ったとしても元の形に戻ることはありません。骨折を繰り返すと、身長が低くなったり背中が丸くなったりすることがあります。若いころより身長が4cm以上低くなっている方もいらっしゃいます。また、背中が丸くなっている方は、以前、背骨を骨折していた可能性も高いと判断できます。
連続して起こる骨折を「骨折連鎖」といいます。背骨を骨折した後には大腿骨を骨折することが多いとされています。大腿骨を骨折すると手術が必要とされ、筋力の低下によって寝たきりになることもあります。背骨を骨折しても、痛みを自覚ない患者様もいらっしゃます。実に全体の3分の1は、骨折に気付かないという結果があります。
骨粗しょう症の検査/骨密度検診
骨粗しょう症による骨折を防ぐために、症状の早期発見と症状に対する対処がとても重要です。盛岡市の今井産婦人科内科クリニックでは、患者様に骨密度検診を推奨し、骨粗しょう症になるリスクを最小限に抑えて頂いています。
これまで骨粗しょう症は、骨密度の低下による症状とされてきました。しかし、骨密度が正常範囲である方でも、骨折するリスクが高いケースがあることが分かってきたのです。
「骨の強さ」=「骨密度」+「骨質」
骨粗しょう症は「骨強度が低下することで、骨折しやすくなる骨の病気」という定義に改められました。
骨の強さを表す「骨強度」には
・骨密度:70%
・骨質:30%
以上の関係性があると判断されました。
骨粗しょう症を防ぐには、骨密度の低下と骨質の劣化を防ぐ必要があることが分かります。骨密度と骨質の双方が影響しあって骨折リスクが高まる病気、それが骨粗しょう症です。
骨密度測定
骨の強さを判定するための代表的な指標となる骨密度。骨密度の検査は、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定することができます。 若い人の骨密度の平均値と比較して、自分の骨密度がどの程度乖離があるかを知ることができます。
検査方法は様々ございますが、当院では腕の骨などを使って骨の吸収差により測定するDXA(デキサ)法を導入しています。
<検査の進め方>
- お着替えは不要です。
- 時計やアクセサリーなど、手や腕につけている金属類は外します。
- 左前腕を測定器に合わせて置きます。
- X線撮影をし完了終了です。
- 検査時間は5分程度です。
閉経を迎えた女性には、1年もしくは数年に1度は検査を受けることをオススメしています。
もちろん男性も、ある程度年齢を重ねたら一度は受診するようにしましょう。
骨粗しょう症の治療
治療の目的は「骨折を防ぐ」ということです。そのために、骨密度の低下を抑えることが必要です。
お薬を服用することで骨折をするリスクを最小限に抑えることができます。
たとえ症状が改善されたとはいっても、病気自体が完治するわけではありませんのでご注意下さい。
自己判断で治療を中止することは避けましょう。
<治療薬について>
治療薬には、大きく分けて2つの薬があります。
「骨吸収を抑制する薬」と「骨の形成を促進する薬」です。
- 活性型ビタミンD3製剤
腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨にカルシウムを供給する。
筋力低下や転倒の予防効果があることがわかってきている。
- ビスホスホネート製剤
骨を破壊する働き(骨吸収)を抑制することで、骨の量を増やす。
最近では、月に1回投与・服用する注射や経口薬もある。 - SERM製剤
女性ホルモンと似た働きをし、骨吸収を抑制することで骨の量を増やす。
日常生活の見直しを図りましょう
治療は薬物治療が主になりますが、そもそも骨粗しょう症が発症した背景には、患者様自身の習慣(食事や運動など)が大きく関わっており、長年にかけて身体に染み付いてしまった習慣を見直していかない限り、根本改善とは言えません。
薬物治療と合わせて、食事療法・運動療法も試みながら、骨強度を高めていくための対策が大切です。
盛岡で骨密度検査をご希望の方は、一度、当院までご相談下さい。